しんとらの雑記帳

スケートメイン

ストーリーと音楽-リレー記事2

 どのプログラムにもコンセプトがあり、スケーターはそれを身体表現とスケーティングで具現化していると思うのですが、すべての演技にストーリーがあるかというと艘でもないような気がしています。

 そもそも曲によってはすでにストーリーが付随しているものがあります。たとえばバレエ音楽や映画音楽。有名なものであれば、曲を聞いただけで大体の場面がイメージ出来ると思います。もちろんすでに舞台化・映像化されている方向性と異なる解釈をして仕上げてくる選手もいますが、概ね決まった方向性に+αする選手の方が多いように感じます。「分かりやすさ」とイメージのしやすさによるところが大きいのでしょう。

 一方で、抽象的で可視化されていない曲も存在します。直近の具体例としてサフチェンコ・マッソ組が使用した「La Terre vue du ciel」(空から見た地球)をあげておきましょう。

youtu.be

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 この手の音楽のよいところは、解釈がかなり自由で、自らの味を出しやすいところにあります。さらに使用スケーターが少ない曲であれば、他の選手と比較されることもなく、「新たな開拓者」となれる可能性を秘めています。なにより、はまったときの中毒性は言うまでも無いでしょう。ただし試みが成功しない可能性も大いにあるため、リスキーな選択になるとは思います。

 どちらの方向性も認められるべきで、双方メリットとデメリットがあります。メリットを生かしつつ、デメリットをいかに見せないようにできるかが、振付師とスケーターの力量になるわけです。今季はどのような音楽とパフォーマンスが見られるか、楽しみに待ちましょう。