しんとらの雑記帳

スケートメイン

フィギュアスケートとメディアーリレー記事7(最終回)

 7/1のシーズンはじめから続けてきたリレー記事も、今回が最終回です。最後なので、少し大きなテーマを取り扱い、提言を行いたいと思います。(以下敬称略)

 日本におけるフィギュアスケートの人気は、2000年代初めから依然として継続していると思います。トリノ荒川静香バンクーバー浅田真央、髙橋大輔、ソチの羽生結弦、ピョンチャンの羽生結弦宇野昌磨と4大会連続で五輪メダリストが出たのが大きな要因の一つでしょう。強い選手が国内にいるからこそメディアに取り扱われ、それをきっかけにフィギュアスケートを見るようになる人が増える、といった良い状態が生まれているのです。シングルが世に広く知られている一方で、ペアやアイスダンスといったカップル競技についてはその認知度が高いとはいえない状況になります。近年はフィギュアスケートTVや深夜放送などで一部の演技が見られるようになりましたが、有料放送がメインの視聴先となっており、一般の視聴者が目にする機会はほとんどないように思います。(実際私が休眠していた時期、TVでペアやアイスダンスの情報を見かける機会はほとんどなかったように記憶しています)今後は、カップル競技に目を向けてもらう努力を連盟には期待したいと思います。

 メディアがフィギュアスケートの人気に重要なのは自明なことですが、TVや新聞、ネットニュース以外に重要だと考えているのが、動画(共有)サイトです。Youtubeや各公式のサイトなどがそれに当たります。

〈Eurovion Sports〉

https://www.eurovisionsports.tv/isu/figure-skating/

〈Skating ISU〉

www.youtube.com

〈ISU Junior Grand Prix〉

www.youtube.com

 問題は、ライブで見られなかった場合、どのようにして選手の演技を見るかということです。例えばGPSについては、日本ではBS朝日でシングルの演技は全選手流れますが、カップル競技についてはNBCSportsGoldなどの有力放送のアーカイブに頼らなければなりません。今年の世界選手権では、放映権をもつフジテレビが「フジテレビ SPORTS」(Youtube)ですべてのカテゴリーのアーカイブを6/30まで公開するという、画期的な取り組みを実施しました(現在は権利の都合で停止されています)。GPSではどうなるかわかりませんが、放映局にはアーカイブを残していただきたいと切に思います。

 以上、日本を中心に話を進めてきましたが、世界の状況を見渡してみましょう。公式のシニア大会のアーカイブは、先にあげたEurovisionでその一部が公開されていますが、いまだ不十分な状況にあります。他の競技、例えばバレーボールでは、試合のフル映像がYoutubeにアップされています。また同じウィンタースポーツのカーリングもフル映像に加え、ハイライトがYoutubeにアップされています。このように、誰でも閲覧可能なサイトにアーカイブを残し、競技の普及の一端を担うことが行われていますが、フィギュアスケートの場合、ジュニアの試合でそれがなされるにとどまっています。もちろん権利上の関係で難しいというのは容易に予想がつくことではありますが、公式がアーカイブを残すという行為は大変意義があり、競技の発展・普及に重要だと考えています。ISUの判断を待つほかありませんが、積極的な活動を期待したいと思います。

www.youtube.com

www.youtube.com

 今回は、フィギュアスケートの今後を語るうえで欠かせない、メディアとアーカイブズについて取り上げました。ファンがどうこうできる問題ではありませんが、現在公開されている公式あるいは有料サービスを積極的に利用することで、新たな技術・サービスの導入を待ちたいものです。