しんとらの雑記帳

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雑ーISUが目指していることについての一考察

ISUがルール改正でどのようなことを目指してきたかについて、僭越ながら考察したいと思います。

 


主にトリノシーズンから平昌シーズンまで、シングルが対象となります。

大きな改正点は、以下のように整理できると考えています。

①SPにおいて、男子はステップ1つ、女子はスパイラルが廃止され、要素数が8から7になったこと。

②FPにおいて、男子はステップ、女子はスパイラルが最終的にはChSqになり、スピンが4つから3つに減ったこと。

③SPにおいても後半ジャンプが容認されたこと。

 


①、②については、規定時間が変わらない一方で、要素数が減ったことで、選手側にある程度の余地が生まれた、つまり「自由化」を促す・指向した改革だったと評価できるのではないでしょうか。

 


③については、前半にジャンプが固まりがちであった状況に対し、後半ボーナスを与えることで、プログラム構成の画一化を防ぐ、いわば「多様化」を目指したものだったと思います。ChSqもこの概念の範疇に入りうるでしょう。

 


結論としては、選手の裁量に任せる部分を可能な限り増やすという筋を、ISUは一貫して取り続けているのではないかと、私は考えています。

 


そのような観点からすると、今回のルール改正は今までの路線とずれる部分もあるかと思います。例えば、男子のFPにおいて時間を30秒減らし、ジャンプを1つ減らすというものです。これで男子のプログラムはより自由度が減りうると思うからです(削るジャンプとしてクワド、3Aが想定しにくく、比較的助走の短いジャンプを減らすスケーターが多いという見通し)。

 


今回の会議でどの案が採用、不採用されるかは不明ですが、「裁量」の観点からルール改正を考える記事を、総会終了後にアップする予定です。そちらもご覧頂ければ幸いです。