〇はじめに
冬季五輪を目前に控え、各競技の内容がルールが様々なメディアで取り上げられるようになってきました。その内容は、技についての解説、点数についての解説(フィギュアスケートでは大体各種エレメンツの基礎点の紹介)がほとんどで、総得点の目安は提示されていません。そこで今回は、各競技のSP(SD)、FP(FD)のTESについて主に分析し、そこから得られたデータをもとに、総得点(TSS:TES+PCS)の基準を作成しようと思います。採点競技の楽しみのひとつは得点がわかることだと考えており、このデータが観戦に資することを願って執筆しました。
〇フィギュアスケートの採点
詳しい解説はJsportsのサイトを参照していただくとして、ここでは必要な部分だけ抽出して説明していきたいと思います。
〇フィギュアスケートの点数:TES+PCS(-Ded)
*TES:Technical Score
PCS:Component Score
Ded:Deductions
合計:Final
(1)TES:基礎点(Base Value)+GOE
選手が実施する各エレメンツには基礎点(BV)が定められており、その一つ一つに出来栄えを評価するGOEがつきます。BVとGOEの合計が一つのエレメンツの評価点(Scores of Panel)となり、その合計がTESになります。TESの基準は後日の各論で述べる予定ですので、そちらを参照ください。
(2)PCS:5項目の合計点
10点満点で、SS、TR、PE、CO、INの5項目に点数がつけられます。各項目の採点基準については前掲Jsportsのサイトを参照ください。また種目によって係数(上記の表の"Factor"に相当)が異なるのも特徴です。
〇おわりに
以上簡単ではありますが、フィギュアスケートの得点がどのように出ているかについてみてきました。TESとPCSの合計点で評価されるという点が重要で、TES(PCS)が高いからといって「上位」になるとは限らず、TES、PCSともに「高い」点数を取ることが重要だといえるでしょう。
【参考】European Figure Skating Championships 2018 男子FP
次回以降、男子シングル、女子シングル、ペア、アイスダンス各競技の得点について詳しく見ていきます。お楽しみに。